カスタマージャーニーはもう古い?Googleの発表した新しい消費行動とは?

マーケティング基礎

2020.02.13

三浦 奈生

マーケター三浦 奈生

先月1月30日に、日本のGoogle合同会社がとても興味深い調査結果を発表しました。
それはずばり「買い物行動を刺激する情報探索とは」

私たちはGoogleやYahoo!といった検索エンジンで日々検索をしています。

夕食のレシピ、新製品のコスメ、TVで紹介され気になった書籍、来月の旅行先、いつかは建てたいマイホーム・・・興味があること、気になった情報はすぐに得ることができ、それらはやがて購入につながることが多々あります。

このように人が何かものを購入する際に、現代では「検索」というフェーズを踏みます。それを今回Googleが「人は購入に至るまでに、いつ・どんなタイミングで検索し、情報を得ているのか」を明そうとしたわけです。

見えてきた大きな変化

詳しい数値はこちらでは述べませんが、結果、ある大きな変化がみてとれたのです。

それは、マーケティングで従来一般的だった「一直線的なカスタマージャーニー」が、そろそろ通用しなさそうだ、ということ。

調査によると、消費者の検索行動は一直線ではなく、表れては消え、表れては消えを繰り返す「変則的なもの」であり、そして「瞬間的な消費が多く行われている」ということだったそうです。

従来、買うという行為はマーケティングでは「カスタマージャーニー」で語られてきました。

消費者が購入に至るまでのプロセスや行動心理を、時系列で「一本の線状の“旅”」にたとえ、可視化しプロモーション施策などに役立ててきました。それが、つまり今回のGoogleの調査結果によって今までのカスタマージャーニーが通用しなくなることを意味しているのです。

現代人は「パルス的」に瞬間的に消費している

まず大きな特徴として、現代人は「パルス消費」であるとGoogleは提言しています。

スマホが生活の一部となり、購入行動もオフラインからオンラインへ、時間も場所も選ばずいつでも思い立ったら即購入。スマホを見ていて瞬間的に買いたくなって、買いたい商品を見つけたら、その瞬間に購入を完了できる。それを「パルス=きわめて短い時間にだけ流れる電流・電波」的な消費と位置づけ、さらにそれが当たり前のように行われていることがわかりました。(私も、皆さんも実感あると思います)

つまり(住宅や車などの高価格商品は別としても)じっくりと情報を集め、比較し、購入に至るというセオリーが、現代においては通用しなくなっているということです。

「さぐる」検索と「かためる」検索。表れては消える、バタフライサーキット

ではそのパルス的な消費活動が行われるまでに、消費者がどのような情報検索を行っているのか。そもそもどんなモチベーションで検索をしているのか??

これが調査によると、消費者には情報探索を行う「8つの潜在的な動機」があり、さらに、選択肢を探るための「さぐるモード」、選択肢を固めようとする「かためるモード」の2つに分かれるということです。

「8つの潜在的な動機」

【さぐるモード】
・気晴らしさせて(へー):関心があるものに対して、情報を集める行動自体を楽しみたい。
・学ばせて(ふむふむ):知らなかったことに対して網羅的に知識を得たい、蓄積したい。
・みんなの教えて(そんな感じか):世間や周りの人が選んでいる商品、サービスを把握したい。
・にんまりさせて(うしし):一般的ではない情報を他の人より先に知りたい。

【かためるモード】
・納得させて(なるほどね):自分が今持っている考えが本当に正しいものなのか知りたい。
・解決させて(はいはい):具体的な方法手段、今すぐ役立つ情報・答えを知りたい。
・心づもりさせて(やっぱりそうか):購入後にガッカリしないようにあらかじめ期待値を下げておきたい。期待値コントロール。それを見ても購入はやめない。
・答え合わせさせて(ですよね):すでに選択をしているが確かめたい。同じ答えを探す。

普通なら、情報を「さぐった」上で「(意志を)かためる」、というのが一般的だったはず。いわゆる一直線的なカスタマージャーニーです。

それが、あまりにも検索という行動が日常に行われ過ぎて、選択肢を固めてきているのに、なぜかまた新しい選択肢を広げてしまうという行動が起きているのです。(ちなみにGoogleはこの行動を、「さぐる」「かためる」を八の字を描くように行ったり来たりぐるぐるすることから、バタフライサーキットと名付けています)

人々の行動が変わった。では、我々はどうすれば?

この人が「常に何かを探し続けている状態」は、この先もおそらく変わらないでしょう。

延々と繰り返す検索のなかで、思いがけない出会い・共感・感情の高ぶりなどがあることで購入をする。もしかしたら、近い将来、個人ごとにそのパターンも分析できる日もくるかもしれません。

従来のマーケティング理論も古くなることは確実です。

ですが、

  • 消費者の購買行動を観察し、感情や行動の仮説を立てること
  • 適切なタイミングで、有益な情報を提供すること

この2つの基本は、原理原則として変わらないと思います。

行動の変化に目を向けながら、大切な軸になることは変えないこと。

それがいつの時代も成功できるマーケターなのだと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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