ローカルの●●離れはこうして解消しよう。

ローカルコラム

2019.08.12

三浦 奈生

マーケター三浦 奈生

ビールが美味しい季節となりました。

1年中愛飲している私としては、季節関係なく美味しく感じているビールですが、その消費量は14年連続で減少しているそうです。


キリンホールディングス株式会社/2019年版データブックより

人口減少に伴う需要減かと思いきや、清涼飲料の生産量は増加傾向にあるので、日本人の「アルコール離れ」と言えます。新しい飲み方を打ち出してブームにもなったハイボール(ウィスキー)、ストロング系で話題になったチューハイは右肩上がりなものの、ビール系の苦戦はやはり大きく目立っています。

キリンホールディングス株式会社/2019年版データブックより

そんな苦戦を強いられているビール系の中でも、パイは少ないものの堅調に伸びているのが地ビール・クラフトビールです。

もともと1994年に酒税法が改正され、少量生産のビールメーカーが全国各地に生まれたことが始まりとなり、その後「craft=職人、手作り」という意味のあるクラフトを冠した「クラフトビール」という名称とブームとともに、2018年時点でそのメーカーは141社にまで増えています。

その中でもやはり群を抜いているのは、「よなよなエール」「水曜日のネコ」などで有名な株式会社ヤッホーブルーイングではないでしょうか。

万人に好まれる必要がある大手のビールと違い、自分たちこだわりの味を突き詰められるのがクラフトビールの良さ。それに加えて一見ビールには見えないおしゃれなパッケージ、一度聞いたら忘れられないネーミング。一度は店頭で目にしたり、飲んだことがあるかもしれません。しかし同社はCMなどのマス広告はしていません。

マスではない、熱烈なファンに会うための場づくり

ではどのようにその商品を広め販売量を増やすことに成功しているのか。それは「ファンづくり」に特化していることだと考えます。

ファンベースマーケティングの元祖ともいえる同社で有名なのは「超宴(ちょううたげ)」と呼ばれる、ファンと社員が直接コミュニケーションできるファン向けイベント。現在では5,000人にまで増えているそうです。

採算度外視、赤字企画のこのイベントを同社が続ける理由は、ファンをもてなす場ではなく、同じ商品を愛する社員・ファンが対等にコミュニケーションできる場、それが次のファンを生むことを強く認識していることに他なりません。

インターネットやSNSの台頭により、ニッチだけどコアな熱烈なファンからの発信は、小さいけれどそのコミュニティ内で確かに広まり、また次のファンを呼ぶ呼び水になるからです。

離れる前に、出会わなければ始まらない。

「●●離れ」はビールに限らず、どの業界でも言われています。

個人的に、万人に好かれる商品を作り・売上を上げ続けるのは難しいと考えています。多種多様で移り気な現代人に合わせた商品の開発・展開は、よほど大手のSPAでない限り限界があります。

では大手ではないローカルな企業では何ができるでしょうか?

ローカルの強みは「物理的な距離が近いこと」。そして「地元密着・地場を知っている=心の距離感が近いこと」。例えばローカルに根付く雑貨・小売店であれば、以下のようなアクションが効果的だと思います。

物理的な距離が近い
会いに行けるスタッフ〇〇さん SNSの投稿で顔を出す、リプライで交流を深める。スタッフへの親近感を醸成。

店舗でコアなファン限定イベントを開催
閉店後の店舗など、特別感のある状態で感謝の意味を込めたイベントを実施。
生の声を聞く機会。どんな人たちが自社を好きになってくれているのかがリアルに分かる。

地元密着・地場を知っている
地元のイベントや催しに参加したりPOP UPショップを出す
コアなファン向け、というよりもコアなファンに出会うため、積極的に接触できるところに赴く

つまり、ただ離れていくのを受け入れるのではなく、自分たちを好きなってくれる人って、どんな人なんだろう?と知るために、発信したり、赴いたり、どんどん「自ら動く」ことが、ローカルな企業はより大事なことと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

unsplash-logoTatiana Rodriguez

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