地方の“エセ”ブランディングを根絶していきたい。

ローカルコラム

2020.08.30

桜井 貴斗

マーケター桜井 貴斗

こんにちは、桜井です。

地方でマーケティングの仕事をしていると、「ブランディング」「ブランドづくり」という言葉がとても広義に使われていることを実感しています。
今日は地方でのブランドづくりにはびこる“エセ”ブランディングについて書いてみたいと思います。

ちなみにWikipediaではブランディングをこう定義しています。

(Wikipediaより)
ブランディング(英: branding)とは、ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織のマーケティング戦略の1つ。ブランドとして認知されていないものをブランドに育て上げる、あるいはブランド構成要素を強化し、活性・維持管理していくこと。また、その手法。ここでいうブランドとは高級消費財に限らず、その対象としては、商品やサービス、それらを供給する企業や団体のほか、人物・建築物・史跡・地域 ・祭事など、あらゆるものが該当する。

わかったような、わからないような、、、という説明ですね。笑

でもブランディングってそんな説明が多く、実態を掴むことが難しく、本質的な意味を理解している人はごく少数だと感じています(私自身も勉強中です)。
そもそも正確な意味など存在しているのか?とも思っています。


それっぽいブランディングをする地方業者

ただ地方では以下のようなアウトプット単体でもブランディングと定義されていることがしばしばあります。

・かっこいい(それっぽい)ロゴをつくる
・かっこいい(それっぽい)Webサイトをつくる
・かっこいい(それっぽい)コンセプトをつくる
・かっこいい(それっぽい)コミュニティをつくる

主にはデザイン制作会社や広告代理店が主導で「それっぽい」クリエイティブをつくって、かっこいいアウトプットを出したことで満足しているケースが多いなぁと思っています。

企業内のマーケティング・広告販促担当者が主導で行われていることもありますし、ブランドを持つ社長自らがミスリードをすることもあるでしょう。

「今のロゴはイケてないのでかっこいいロゴつくりましょうよ!」「●●のサイトがカッコ良かったので、同じようなテイストのデザインをつくりましょう!」などと、美醜という薄っぺらい理由だけで提案をしているシーンを数多く見てきました。

かっこいいロゴをつくることを否定しているわけではありません。私が気になっているのは「なぜそのロゴの色・計上・大きさなのか?」「誰に対してどんなメッセージを届けたいのか?」が置き去りにされていることです。


なぜそれっぽい提案をしてしまうのか

ではなぜそれっぽい提案をしてしまうのか?ですが、提案するデザイン会社・代理店側が単純にマーケティング・ブランディングというものをよく理解していないというのが最大の理由だと思います。

なぜ理解をしていないのか?ですが、私の仮説では以下の通りです。

・過去のマスメディアの力(広告の力)で自分たちの提案の効果がある(成果がある)と信じている

・これまで、ブランドづくりはメディアを売るための手段にしか使っていなかった(ブランドを軽視している)

・クライアント側が費用対効果についての知識がなく(というか代理店側が費用対効果という言葉を殺してきたと思ってる)、あまり問われなかったので大事だと思っていない

・昨今のSNS(≒UGC)、SDGs、LGBTなどのトレンドについていけておらず、本質的な理解(なぜ大事なのか)がわかっていない(でも誰に聞けばいいかわからない)

提案するデザイン会社、代理店の人たちが自学していないのだとしたらよくないですが、それ以前にマーケティング戦略について学ぶ先がない、学べる人がいない、といった環境・人不全に陥っているんじゃないかと思っています。

一応、そんな人たちの一助となるべく、イベントやコミュニティづくりをはじめました。
※まずは私が主体者として始めていきたいと思っています。

◎イベント(ウェビナー)
コロナ禍×地方×ブランディングを再構築する。



◎コミュニティ
【地方×マーケティングを考える】サークルをつくりました。



ブランドとはなにか?ブランディングとはなにか?

では次に、私なりのブランドとはなにか?ブランディングとはなにか?の定義について書いてみたいと思います。

学びの根拠・経験として、イズアソシエイツのブランド・マネージャー、グロービス経営大学院のマーケティング戦略に基づいています。

イズアソシエイツ
グロービス(GLOBIS)

ブランドとはなにか?

ブランドとは企業のブランド要素(ロゴ・色・キャラクターなど)を目に耳にしたときに、知っている状態(ブランド再認)と、想起ワードを思い浮かべたときに特定のブランドのことを思い出す状態(ブランド再生)のことを指します。

「コカ・コーラ」を見て、炭酸飲料であることを知っている
 └ ブランド再認(知っている)

炭酸飲料を思い浮かべて「コカ・コーラ」を思い起こす
 └ ブランド再生(思い起こす)



ここで使用している「ブランド再認」「ブランド再生」の序列で言うと、「ブランド再認<ブランド再生」となり、思い起こしてもらえるブランドは強い(たくさん売上をつくれる)、ということになります。


ブランディングとはなにか?

一方でブランディングとはなにか?というと、消費者(顧客)側の「こう思う!」と言うイメージと、ブランド側の「こう思われたい!」を合致することです。 先ほどのWikipediaに書いてあった通り、ここでいうブランドとは高級消費財に限らず、その対象としては、商品やサービス、それらを供給する企業や団体のほか、人物・建築物・史跡・地域 ・祭事など、あらゆるものが該当します。



ブランド再認(ブランドのことを知っている)とブランド再生(特定の想起ワードを通してブランド名を思い起こす)はそれぞれ指標値が違います。 ブランド再認は「ブランド名を知っている量を増やす(=認知率)」こと。ブランド再生は「(想起→ブランド名)率を高める(=想起率)」こと、となります。 認知を高め、ゆくゆく想起されやすくなるブランドになっていく、というイメージです。




エセブランドづくりにならないために、なにから学んでいけばいいか?

最後に地方のデザイン会社・広告代理店およびブランドに携わるすべての人たちが、エセブランドづくり(それっぽいブランディング)にならないようにするには、なにから学んでいけばいいか?について1枚のスライドにまとめてみました。


・想起されたいキーワードを決める
・現状と理想のGAPを確認する
・想起しているユーザーペルソナの解像度を高める
・ペルソナが類似する競合分析を行う
・3C分析の後、スイートスポットを見つける
・具体的なアクションプランを設定する

大まかに↑の流れをおさえているだけで提案の中身は変わってくるかもしれません。

また具体的に、どんな想起ワードにすればいいのか?現状と理想のGAPを把握するためにどんな指標値を見ればいいのか?想起ワード→ユーザーペルソナをどのようにつくっていくのか?など、上記に明記していないことも多いため、それらはまたイベント(ウェビナー)やコミュニティで議論できたらな~と思っています。

以上が私なりの地方の“エセ”ブランディングの根絶方法です。少しでも参考になるようならうれしいです!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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